【VESPA P125X】
以前ウチでボディーレストアしたべスパです。
下の写真でもおわかりの様に、二十数年前の車両とは
思えない程のグットコンデションのべスパだったのに
信号待ちで突然、後ろからクルマに突っ込まれたそうです。
当然怪我もし、車両も悲しい姿に。。。

しかし、こんな時こそ自分の本領発揮です。悲しい気分を吹き飛ばすような
仕事をさせてもらいます。オーナーの方の希望によりカラーリングも変更し、
以前よりも更に愛情を持てる車両になる様に頑張ります。
生々しい事故の爪痕。画像で見る以上に実際のダメージは大きいです。
実際事故の時は衝撃で数メートル宙をまったそうです。
体が大事に至らなかった事が不幸中の幸いですね。
板金作業に入る前に、まず2スト混合ガス特有のオイル汚れと各所に行われたグリスアップ
を洗浄してキレイにします。スチームクリーナー、業務用の洗剤、熱湯、ブレーキクリーナー等を使い、
ひたすら油分や汚れを落します。この作業だけでほぼ一日掛かってしまいました。
只今板金中!音楽を聴きながら楽しく板金、ではありませんよ(笑)
リア周りの修復がほぼ完了したところ。
その他、今回の事故とは関係無い箇所も下地を作ります。
下地塗料を塗る為に吊るし上げられたボディ。
下地塗料。
アルミのダイキャストパーツや鉄板がむき出しになったはもちろんパーツ全体を下地塗装します。
密着性、防錆性の向上に効果があります。
ちょっとコーヒーブレイク。
梅雨の晴れ間に日向ぼっこ中、べスパのボディも気持ちよさそうです。
チャンバーもサンドブラスト処理後に耐熱塗料を塗装すると、まるで新品の様によみがえります。
ヘルメットも車体と同色にすべく新品のシンプソンのジェットヘルを、ところが。。
クリアーコートしてあるデカールをサンディングしてみると、何故かその下にもデカールが。
さらにサンディングすると金太郎飴のごとく次から次ぎへと同じデカールが出てきます。
結局五枚程重ね貼りしてありました(何の意味があるのか???)
その結果かなりの段差が出来てしまったので、パテで段をなくしてサフェーサーを塗ることに。
ボディーは各所に防錆処理を施します。
黒く塗ってあるものは自動車の下回りに塗ってあるアンダーコートと言うものです。
石跳ねなどからボディーを守る役目をしてくれます。
各パーツが塗りあがり加熱乾燥をしているところ。
おおー。完成が見えてきました。
そして完成の図。
時間はかなり掛かりましたが、仕上がりも相応に満足いくモノになりました。
今回はアクセントとしてチェッカー柄の帯を、キャンディーフレークグリーンと
ミントホワイトで入れてみました。ギラギラのフレークもこんな感じに使うと
なかなかオシャレな感じになりますね~、でも存在感は凄いですよ。
その他、事故で潰れたリア周りもこのとおりです。
おっと!ヘルメットも忘れちゃいけません。
ヘルメットもボディー同様にチェッカー柄の帯を入れ、オーナーの方の家紋を
金箔貼りしました。家紋を入れるのは人形メーカーだけではありません(笑)
用意された版下から丸帯を抜いたモノがオーナーの方の家紋になるようです。
第三京浜で会いましょう!
今回ウチで作業している間に、オーナーの方が250cc登録をしてきました!
もちろん中身もそれ相応に手が入ってます。
こいつが三京を1××km/hで疾走する姿はさぞ不思議でしょうね。
ビックスクーターのオーナーは要注意ですよ。べスパに抜かれたら微妙でしょ。